「大門V計画始動!」第655回サルシカ隊がいく

投稿日: 2018年02月21日(水)10:37

写真/フォトグラファー加納

「おいおいウソだろ!?」
「また店をつくるのか!?」
「もう店づくりは懲りたって去年言ってなかったか!?」
「アホだ、アホに違いない!」

たぶんあちこちでそう言われていたに違いない。

はい。
サルシカの店づくりは、2016年の「おばんざいバルすみす」からはじまった。

資金もないのに、
いきおいと気合、そしてみんなの労力と善意を使いたおして、こんな立派なお店が完成した。

ありがたいことに、すみすは津市大門の人気店として、いまだたくさんのお客さんに贔屓にしてもらっている。

このすみすの成功に味をしめて、翌年(2017年)にオープンしたのが、大門商店街の「キャンプバー・ランタン」。
商店街との初コラボ!
80ほどの店舗があるにもかかわらず、営業しているのは10店にも満たないという大門商店街の活性化を目的として、店舗の開発は商店街、運営はサルシカというスタイルではじまった。

街なかでキャンプを楽しもうをコンセプトにしたバー。
2016年のクリスマスイブから工事はスタートし、2ヶ月にスタート。
街をあかりで灯そうという思いからランタンと名付けたのだが、これから発展して通りまで出来ることに。

ランタンから2週間ほど遅れてオープンしたのが、「歌声サロンまりりん」。
ランタンとなるお店の運営をまかせるスタッフを集ったところ、ふたりも来てしまったので、それに合わせて急遽、ランタンとなりのお店をサルシカの単独事業として開発。

結果、ランタンとまりりんは、同時に店舗開発となり、多くのサルシカ隊員から「無謀だ」「バカだ」「いい加減にしろ」と言われたものだ(笑)。

ランタン、まりりんから遅れること2ヶ月。
これまで移動販売店としてサルシカとも連携してきた「串揚げまるう」のリアル店舗を大門商店街に。
わずか数日間で作り上げてしまう(笑)。

そして「まるう」のオープンの日。
具体的には2017年4月7日。

キャンプバー・ランタン、歌声サロンまりりん、串揚げまるう本店と並ぶ大門商店街の「南通り」を「ランタン通り」に改名。
みなさんからの寄付金と津市からの補助金を活用して、およそ100個のランタンを通りに吊るす。

「店ではなく、通りをつくる」

そんな目標に従って、数年に渡って続けられてきたサルシカの店舗企画はここで終了の予定であった。
ひと通りが戻ったあとの商店街には、さまざまな人がチャレンジをして店舗を開発すればよいのだ。
切磋琢磨こそが次の発展をつくる。

大門商店街のひと通りは、以前に比べて驚くほど増えた。
100倍とか200倍という数字だ。

しかしだからといってすぐさま出店者が増えるわけではない。
われわれが関わってから数店のお店が増えたが、その一方で高齢などを理由に数店のお店が閉店。
結局、店の数は増えていないのだ。

あともう1回だけやるか・・・・。

炎は燃えるまでが大変なのだ。
煙も出るし、ちょっとしたことですぐさま消えてしまう。

しかし一度大きな火がついてしまえば、少々の風や雨じゃ消えることはない。
少しずつ薪を投入していけば、えんえんと燃えるのだ。

いまはもっと薪と風がいるとき。
いっきに吹き込もうではないか、ということになった。

今回、店舗を出すのは、歌声サロンまりりんから前に伸びる路地にあるひとつである。
つまりランタン通りの拡張だ。

われわれをその気にさせたのは、写真右のオトコ、モルタン川村である。

そう、「みさとの学校マルシェ」でタッグを組んだ三重のマルシェキングである。
彼の奥さんは、ベトナム雑貨を取り扱い、もう数え切れないほどベトナムを訪ねている。
もちろんベトナム語もぺらぺら。
たぶん東海エリアでは何本かの指に入るベトナム通なのだ。

その奥さんクレアとモルタンが、ベトナム料理をやりたいと言い出した。
ベトナムだけでなく、アジアに広がる店舗を開発したいらしい。

それは、ただちに大門商店街商業協同組合の理事長に伝わり、サルシカの飲食店R&D部(M子ね)に伝わり、さまざまな調査、検討が行われた。

「やるべし!!!!!」

2018年1月、満場一致で決定したのであった。

2月某日。
ランタン通りのまえにトラックや軽トラが横付けされる。
見慣れた光景。
ああ、はじまったなあ、という感じがする。

今回の工事を主導してくれるのは、すみす、ランタン、まりりん、まるうの水道やガスの工事を担当してくれたベターハウジングの佐野さん。
今回は店舗全体の工事をみてくれることになった。

みんなで汗を流し、みんなで店をつくる。

そんなコンセプトでいよいよ5軒目。
大門V計画の「V」は、5軒目の「5」とベトナムの頭文字の意味がある。

まずは解体工事をイベントとしてやることにやることになったが、事前にいろんな準備。
だいたいサルシカのメンバーはいざ解体をはじめたら、もうやみくもに力に任せて破壊してしまうので、事前に安全面を考えた対応をしておかないと、天井がごっそり落ちてきてしまったり、壊してはいけないところまで壊してしまってあとで予想外の費用がかかって泣くハメになる(笑)。

電気の配線や水道管やガス管をしっかりと確認して養生。

工事班長の中谷の父ちゃんは、天井が落ちないように、梁をつるす作業。

こうして事前工事を半日ほどやって、いよいよ解体工事当日を迎えるのであった。

そして2月中旬の週末。
土曜日と日曜日の2日間で解体工事が行われることになった。

土曜日の朝8時に集合。
この日の参加者は15名ほどのはずであったが、朝8時の段階で6人ほどしかいない。

やはり繰り返される工事で、みんな嫌になっちゃったのか(笑)。
不安がよぎる。

が、数分して、参加メンバーが10名を超える。
よかったよかった。

さあ、いよいよ今回の工事の概要の説明だ。
隊長のわたくしがおごそかにみんなに話をする。

こちらが、ベトナムカフェになる店舗。
広さは7坪ぐらい。
ランタンやまりりんよりほんのすこし広い。

まずはここを壊す。
天井以外すべて破壊するのだ。

そしてもうひとつ。
ベトナムカフェのまえにある、およそ10坪ほどの店舗。

実はこちらも解体しちゃう。

「ええ! また2軒いっしょにやるの!!!?」
「そんなの聞いてないよ〜」

参加者か声があがるが、きっぱりと無視(笑)。

実はこちらは店舗ではなく、フルオープンのフリースペースにする。
ランタンやまりりん、まるうも自由に使えるスペース。
こちらはサルシカが家賃を負担し、工事の費用もサルシカが負担をするのだ。

そもそも。
大門商店街でバーベキューやらバルやらイベントをやる度に打ち上げをやってきているが、いつも人数が多すぎて各店舗に入り切らず、商店街の通りにテーブルやイスを並べて大騒ぎしている。
さすがにそれは迷惑であろうから、そのスペースをつくってしまうのだ(笑)。

というわけで、波乱の解体工事2018がはじまった!!!